圧縮記帳

【受取保険金等で、滅失した固定資産の変わりの同一種類の固定資産を取得した場合】
●圧縮限度額
(保険金額 - 滅失経費※) - 被害資産の帳簿価額 = 保険差益の額※
保険差益の額 × 保険金の代替資産の取得に充てた金額※ = 圧縮限度額
             保険金額 - 滅失経費

※保険差益=保険金額が確定してその通知を受けた場合において確定した保険金の額が被害資産の帳簿価格より高いときに、その額を処理するため収益勘定という。
※保険金の代替資産の取得に充てた金額⁼代替資産の取得価額と改定保険金額等の額のいずれか少ない方の金額。
※滅失経費⁼固定資産の取り崩し費用、焼け跡の整理費用、消防費用などの固定資産の滅失等に直接関連する費用。
ポイント:この保険差益の全てに税金がかかる負担が大きいので、上記の軽減措置がある。

【国家補助金で取得した固定資産で、期末までに国庫補助金の返還不要が確定した場合】
●圧縮限度額
国庫補助金額 < 取得した固定資産
ポイント:補助金に税金がかかると二重課税、さらに費用性のないものなので、これに税金をかけるのはおかしい。

●減価償却費
(建物取得価額 - 国庫補助金額) × 0.042 × 6/12

【土地の交換による圧縮記帳】
法人が同じ種類の固定資産を交換により取得した場合、圧縮限度額の範囲内で交換により取得した資産の帳簿価額を損金経理により減額できる。
(要件)
①譲渡資産と取得資産が同じ。土地と土地。建物と建物。
②譲渡資産も取得資産も固定資産であること。
③譲渡資産も取得資産もそれぞれ所有者が1年以上保有している。
④取得資産は、交換目的で取得したものではない。
⑤取得資産を交換譲渡資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
⑥交換した時における譲渡資産の価額(時価)と取得資産の価額(時価)との差額が、これらの時価のうち、いずれか高い方の価額の20%以内であること。

例)
(借)土地 5,000万円  (貸)土地 2,000万円
.                  譲渡益 3,000万円
例えば、この場合3,000万円の譲渡益がでますが、実際には現金の収入がある訳ではないので、担税力が伴いません。また、同一種類の固定資産と交換した場合には同一の資産が継続して保有されているとみて、損益の発生を認識しないほうが実情に合っているとも考えられます。

●圧縮限度額
①交換差金等がない場合
取得資産の価額 - (譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額 + 譲渡経費の額)
ポイント:交換差金がないという事で、そのまま取得資産から経費等を引くイメージ
②交換差金を受け取った場合
取得資産の価額 - (譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額 + 譲渡経費の額) × 取得資産の取得価額
.                                       取得資産の取得価額 + 交換差金等
ポイント:交換差金がある場合、経費等を交換差金と取得価額に対する取得価額の割合で計算する。
③交換差金を支払った場合
取得資産の価額 - (譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額 + 譲渡経費の額 + 交換差金等の額)

 

2022/8/1 更新
事業再構築補助金も圧縮の対象