日本では建物の減価償却は定額法です、機械設備等は定額法と定率法の選択適用です。
建物も昔は選択適用でしたが、1998年改正で定額法のみとなった。世界の主要国の主流。
ただ、日本が主流と違うのは償却可能限度額。
経費化できるのは、耐用年数で残存価額90%まで減価償却し後、償却限度額の95%まででした。その後、除却時にやっと除却損として経費化します。主要国は100%。
平成19年度の改正により、1円の備忘価額まで経費化できるようになりました。
2007年(平成19年)4月1日より前の取得の物は、5%まで減価償却した後、残りを5年間で備忘価額の1円になるまで均等償却する事になった。定率法の償却率を、定額法の償却率の2.5倍になった。
平成19年4月1日以降取得
定額法
取得価額 × 定額法の新償却率 = 償却限度額
定率法
「定率法の新償却率」に加えて、「保証率」や「改定償却率」等が新たに示されました。
●償却保証額 = 取得価格 × 保証率
●改定取得価格 = 償却保証額に満たないこととなる事業年度の期首帳簿価格
●定率法の償却限度額の計算式【(調整前償却額)>=(償却保証額)の場合】
定率法の償却限度額 = 期首帳簿価格 × 定率法の償却率
●定率法の償却限度額の計算式【(調整前償却額)<(償却保証額)の場合】
定率法の償却限度額 = 改定取得価格 × 改定償却率
例)定率法の償却率 0.250 保証率 0.04448 改定償却率 0.334
年数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
期首簿価 | 1,000,000 | 750,000 | 562,500 | 421,875 | 316,407 |
償却限度額 (調整前償却額) |
250,000 | 187,500 | 140,625 | 105,468 | 79,101 |
償却保証額 | 44,480 | 44,480 | 44,480 | 44,480 | 44,480 |
改定取得価格×改定償却率 | |||||
期末簿価 | 750,000 | 562,500 | 421,875 | 316,407 | 237,306 |
年数 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
期首簿価 | 237,306 | 177,980 | 133,485 | 88,902 | 44,319 |
償却限度額 (調整前償却額) |
59,326 | 44,495 | 33,371 | 25,028 | 18,771 |
償却保証額 | 44,480 | 44,480 | 44,480 | 44,480 | 44,480 |
改定取得価格× 改定償却率 |
44,583 | 44,583 | 44,480 | ||
期末簿価 | 177,980 | 133,485 | 88,902 | 44,319 | 1 |
2012年(平成24年)4月1日以降に取得する減価償却資産について適用する定率法の償却率は、現在の250%から200%定率法に改正となりました。
平成24年4月1日より前に取得する減価償却資産は250%定率法
平成24年4月1日以降に取得する減価償却資産は200%定率法
※ただし会社の事務負担等も考えて2つの経過措置が設けられている。
①平成24年4月1日より前に開始して、平成24年4月1日以後に終了する事業年度については、平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産も250%定率法の償却率で償却できる。
②現在250%定率法の償却率を採用している原価償却資産については、平成24年4月1日以降最初に終了する事業年度の申告期限までに届出することで、当初の耐用年数で償却を終了する事ができる。